2015年 01月 18日
Miniature ・・・ある風景・・・ |
我が長男、己が娘姫君の三歳の生誕記念にと、画策しける。
すなはち、己の会社に関わり有りたる「大江戸黒鼠遊楽園」にて、
「着ぐるみ黒鼠」を呼びて姫を慰めむと。
長男、奔走しようやく段取り整ひ、姫君とともに「遊楽園」に参上す。
特別なる菴に鄭重に案内され、やがてかの人気者「黒鼠」登場す。
姫君、「黒鼠」の顔を見るや、たちまち火の付いたごとく泣きわめきたり。
長男、慌てて姫君を慰め、「な泣きそ。な泣きそ」と言ひたるも、姫、一向に泣き止まず。
泣き止まぬこと半刻。詮方なく、帰り仕度しけるをり、
泣き続ける姫に問ひたるやう「姫君、などかかく泣きたまふ」と。
姫君答へていふやう「ミニーちゃんがよかった」
長男「・・・」(>_<)
いにしへより親の心子知らずと言へり。まことに言い得てこそ妙なりしか。
(peasantry作 嫌然草_第5段)
by peasantry
| 2015-01-18 07:30
| みそひと・古文・漢文